カメラと旅する ~ 檜原村 ~

湿度がさがり東京に心地よい風が吹き始めた9月の初め、大人の遠足気分で少し遠出することにしました。ある程度の撮影時間を確保したいため、条件を東京から片道2時間の日帰りできるところに定めて行き先候補を探していたところ、WEBで見つけたのが今回のタイトルとなる「檜原村」でした。東京本土唯一の村。なんともキャッチーで、思わず興味を惹かれてしまいますね。
この檜原村ですが、都心から約50キロ離れた東京の西に位置する緑豊かな大自然の中にあります。自然の宝庫、東京都の奥座敷といわれており、村の約9割が森に囲まれているそうです。アクセスとしては、東京駅を起点にJR青梅線の終点である武蔵五日市駅まで1時間半、さらに武蔵五日市駅からバスにて30分ほど。檜原村到着を昼過ぎに設定し、4時間ほど現地滞在、神戸岩から払沢の滝までのんびりと散策することにしました。当日の天気は晴れ。機材は「FUJIFILM X-Pro2」と単焦点レンズ2本「XF23mmF1.4 R」「XF35mmF1.4 R」のシンプル構成で。さあ、遠足の始まりです。
予定の通り昼頃に武蔵五日市駅に到着。時間帯的にまず腹ごしらえとなるのですが、檜原村には多くのそば屋が存在しているとのことで、ここは少し我慢。とはいえ、私の場合、撮影散策に夢中になって昼食を取る機会を逃がすことがしばしばあり、武蔵五日市駅前にあるコンビニでおにぎりを一つ食べ、神戸岩行きのバスに乗り込みます。
バスの乗車客は地元の方と、ハイカーなどの旅行客が半々程度。バスはどんどん山奥へ進み、気分はすっかり遠足気分です。あたりはすっかり山に囲まれており、通り過ぎる車もわずかばかり。一人きりで少々不安ながらも、緑に包まれた穏やかな空気を感じることができます。
バスを下車してから40分ほどでしょうか。ようやく今回の目的地である神戸岩に到着。今回の撮影はフィルムシミュレーションをACROSに設定してモノクロームを楽しんでいましたが、あまりの緑の美しさに途中からところどころVelviaに変更。改めて思うのですが、富士フィルムの緑色は鮮やかで、それでいて不自然さもなく、何度見てもほれぼれしてしまいます。
神戸岩を堪能した後は、徒歩にて払沢の滝を目指します。時間にすると1時間半程度の距離でした。途中に郷土資料館があり、無料入館できるということで、休憩がてら立ち寄ることにしました。郷土資料館には数多くの出土品・古文書・生活用品などが展示してあり、檜原村の歴史を学ぶことができます。郷土資料館を出た後は、今回もう一つの目的地である払沢の滝まで一直線で歩きます。このころになると昼過ぎから延々と歩き続けていたこともあり、もう足が棒のような状態。かなりへとへとになっています。
払沢の滝は東京都で唯一“日本の滝百選”に選ばれているそうで、ゆるやかな傾斜の遊歩道を歩き、入り口から15分ほどで到着します。緑の中、滝の流れ落ちる見事な迫力にしばらくの間撮影も忘れて眺め続けていました。払沢の滝は冬に結氷するそうで、四季折々の風景を楽しむことができそうです。
払沢の滝を出て、蔵五日市駅に戻ったのが17時ころ。日没もすぐそこに迫り、あたりはゆっくりと暗くなり始めていました。今回は神戸岩から払沢の滝までののんびり散策でしたが、檜原村にはまだまだ沢山の自然豊かな観光スポットがあり、一泊二日で再訪しても十分楽しめそうです。

最後に、またしても散策に夢中になり、今回も昼食を取る機会を逃がしてしまいました。そば屋に到着したころには営業終了の看板。次回こそはしっかり昼食をと心に誓いつつ、きっと撮影に夢中でまた逃してしまうのでしょうね(笑)

大多摩ウォーキングトレイル 2017

ウォーキンングに心地よい、清々しい季節の到来。
大多摩ウォーキングトレイルは古里から奥多摩までの全長約8キロを結ぶハイキングコースで、大自然に触れながら、非日常感を味わいリフレッシュするにはうってつけのスポットです。このコースを散策するのは4年ぶりとなり今回で2回目、そのほかにも奥多摩には年に数回訪れていますが、東京とは思えない美しい風景は変わりなく、飽きを感じることがありません。
今回大多摩ウォーキングトレイルを訪問したのは4月下旬で、東京都心部の桜はすっかり葉桜になっていましたが、奥多摩の桜はまさに満開の時期。古里に到着してしばらく歩くと、青空の中で風に揺られる満開の桜が迎えてくれました。
ウォーキングトレイル入口を過ぎると、あたりは瞬く間に林間の山道へ。高木に日光が遮られてやや薄暗く、アップダウンのある渓流沿いの道が続きます。林間の山道を抜けると、鳩ノ巣の集落となり、家々の合間に咲き誇る桜に目を奪われます。東京都心部の多くの桜スポットは人混みで慌ただしい花見となりがちですが、ウォーキングトレイル沿いの桜は人混みとは無縁でゆっくり、のんびりと鑑賞することができました。13時を過ぎたころ、4年前のハイキングでも訪れた鳩ノ巣小橋手前の喫茶ポッポで小休止。渓谷に面したカウンターに座り、オーガニックのスープカレーをいただきました。昼食後はノンストップで奥多摩に向かって進みます。途中、雲行きが怪しくなるも、何とか持ち直して奥多摩に到着するころには古里を出発したころと同じような晴れ間が戻ってきました。4年ぶりとなった大多摩ウォーキングトレイル。新緑の渓谷美を散策すれば気分もリフレッシュでき、清々しい春の風を満喫することができます。緑が美しく、気候としても過ごしやすい季節です。お気に入りのカメラを持って、奥多摩の大自然を訪れてみるなんていかがでしょうか。

HAKONE 2016

あわただしい日常から逃れ、気持ちをリフレッシュしたいという思い付きを行動に移し、2016年7月中旬の週末に一泊二日で箱根に向かうことにした。

東京から近く、気軽に行ける旅行先として人気な観光地、箱根。温泉、自然、グルメ探訪や美術館めぐりなど、旅行の要素が凝縮されており、年間に約2,000万人の観光客が訪れるそうだ。

東京に暮らすようになってもう15年以上経過しているが、箱根周辺を一泊二日で旅行するのは実は初めて。観光名所としてお決まりのポイントをいくつか織り交ぜながら、おおまかな旅行計画を立て、インターネットで宿泊先を確保。シンプルな旅行にしたかったので、手荷物は極力減らし、機材もカメラ 1台・レンズ 1本の最小限にて、いざ出発。

初日は箱根湯本から箱根登山電車に乗り換え、強羅周辺を散策。まず訪れたのは箱根強羅公園。調べてみると、強羅に大正3年に開園され、2014年度には開園100周年を迎えたフランス式整型庭園とのこと。強羅駅到着時にぱらついていた小雨も止み、適度に湿度を保った曇り空の中、公園にある植物の緑色は鮮やかさを増していた。




箱根強羅公園を出て、次に向かったのは箱根ガラスの森美術館。箱根登山バスで30分ほど。ヴェネチアングラスやガラス細工が多数展示されているその美術館内にはあじさい庭園もあり、品種も豊富で、青や紫、白など、様々な色合いを散策時沿いに楽しむことができる。




二日目は強羅から登山ケーブルカー、箱根ロープウェイ、海賊船を乗り継ぎ、芦ノ湖を一周。2016年7月中旬の箱根ロープウェイは大涌谷の火山活動活発化に伴い一部運休となっており、早雲山駅~大涌谷駅を代行バスが運行されていた(2016年7月下旬、全線営業運転再開)。芦ノ湖周辺は厚い濃霧に包まれており、とても幻想的な風景に。







芦ノ湖を観光し、夕刻には箱根湯本へ到着。新宿駅にたどり着いたのは18時ころ。今回は一泊二日で箱根を周遊したが、日帰りでも十分に楽しめる。都心からすぐにもかかわらず、豊かな自然に囲まれており、一息ついてリフレッシュしたい時におすすめなスポット。のんびりとした時間が明日への活力につながるはず。

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OKUTAMA 2016

奥多摩は都心から1時間半程度の大自然スポットとして有名だが、渓谷の川岸や山奥深い林道を自らの足で散策すると、その魅力、自然の雄大さを最大限に感じることができると思う。

ゴールデンウイークを過ぎた梅雨入り前の土曜日、奥多摩のひんやりとした空気、緑豊かな光景を求めて、一眼レフカメラを持って奥多摩に向かった。

前回、奥多摩を地を訪れたのは3年前の2013年。大多摩ウォーキングトレイルと呼ばれる、古里から奥多摩までの全長約8キロのコースを歩いた。今回はどのコースにしようかと考えた結果、奥多摩から奥多摩湖を結ぶ、奥多摩むかし道を目指すことにした。奥多摩むかし道は全長約10キロから成り、 甲州裏街道とも呼ばれた旧青梅街道である。

奥多摩駅を降りた後、奥多摩むかし道の入り口前にあるコンビニエンスストアで売っていたおにぎりとお茶を購入し、ハイクを開始する。むかし道に入るとすぐに羽黒坂と呼ばれる急な坂道があり、それを越えると、巨樹に囲まれた山道が緩やかなカーブ、アップダウンを繰り返しながら続く。季節柄のせいか、すれ違うハイカーの数も少なく、ひっそりとした渓流の音を聴きながら、気の向くままにシャッターを切った。









長年人馬が往来していたとのことで、道中に出現する石碑等によりその当時を感じることができる。自動車も行き来していた街道跡ゆえに大半はコンクリートで舗装された歩きやすい道だが、ところどころに林道もあり、ショートトレイルも楽しむことが可能性だ。















むかし道の最終林道となる水根を下ると、眼下に東京の水源である奥多摩湖(小河内ダム)に到着する。30分ほどぼんやりと奥多摩湖を眺めているうちに夕暮れもせまり、奥多摩むかし道のハイクを終わりにした。










大多摩ウォーキングトレイルと比べるとコースの各所に案内板が丁寧に設置され、道に迷うことは殆どないのだが、一度だけコースアウトしてしまった。どこで間違えてしまったのかと辺りを見渡していると、たまたますれ違った地元の方に声を掛けていただいた。「むかし道を探している」と伝えると、「ああ」という一言と共に、優しい笑顔でむかし道の方向を指差してくれた。

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